
「一般社団法人がクリニックを運営できるのか」「医療法人でなくても大丈夫なのか」——リカレ協会について調べた医師・保健所・医局関係者から、こうした質問を受けることがあります。結論から言えば、一般社団法人が医療機関を開設・運営することは医療法上、明確に認められています。本稿では、その根拠と、リカレ協会がこの法人形態を選んだ理由を整理します。
一般社団法人とは何か

一般社団法人は、2008年に施行された「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」に基づく法人格です。設立に特別な許可は不要で、公証人の定款認証と法務局への登記のみで設立できます。
最大の特徴は非営利性です。一般社団法人は、利益を構成員(社員)に分配することを目的としません。事業活動で収益を上げることは可能ですが、その利益は法人の目的事業に再投資されます。この点は医療法人と共通しており、株式会社とは根本的に異なる構造です。
医師が「一般社団法人=怪しい」と感じる場合、その多くは「株式会社と同じような見た目なのに、実態が不透明ではないか」という感覚によるものです。 しかし実際には、株式会社より厳しい制約がある部分も多くあります。利益分配の禁止という点では、むしろ医療法人に近い性格を持ちます。

一般社団法人は医療機関を開設できるか——法的根拠

医療法第7条は、病院・診療所の開設に都道府県知事の許可を求めています。そして医療法は、一般社団法人・一般財団法人による医療機関の開設を明示的に認めています。
実際、日本国内には一般社団法人が開設・運営する医療機関が多数存在します。大学附属病院の一部、地域医療を担う診療所、在宅医療機関など、その形態は多岐にわたります。
リカレ協会が運営する各クリニックは、すべて都道府県知事の許可を受けた保険医療機関として指定されています。保険診療を行うためには、厚生局への保険医療機関の申請・指定が必要であり、この指定は一般社団法人が開設する診療所にも同様に行われます。
患者が保険証を使って受診できるという事実そのものが、行政による適法性の確認を経ていることを意味しています。「適法かどうか」を示す最も具体的な証拠は、保険医療機関として稼働していることです。

医療法人との違い・共通点

医師が馴染みのある「医療法人」との比較をよく聞かれます。
共通する点として、以下が挙げられます。利益の分配が禁止されていること(非営利)、医療法の規制を受けること(開設・変更には知事許可が必要)、保険医療機関の指定を受けて保険診療が可能なこと、医師法・医療法上の義務(診療録の保存・秘密保持等)が同様に適用されることです。
異なる点として、医療法人は医療法に基づく特別の法人格で、都道府県知事の認可が設立に必要です。設立・解散・変更に行政の関与が強い一方、医療事業以外の事業(教育・研究・介護以外)には制限があります。
一般社団法人は、医療以外の事業を並行して行う柔軟性があります。リカレ協会の場合、クリニック運営と同時に医師向けの勉強会・研修・啓発活動を法人の目的事業として行っています。これは医療法人の附帯業務の範囲では実現が難しかった部分です。

なぜ一般社団法人という形態を選んだか

リカレ協会が医療法人ではなく一般社団法人という形態を選んだ理由は、「医療だけでなく、精神科医療の仕組みそのものを変えたい」という設立当初からの目的にあります。
精神科クリニックを運営するだけでなく、医師の教育・研修の場をつくること、オンライン診療の普及に関わること、医師の働き方を変える仕組みを提案することを、同じ法人格の中で行える構造が必要でした。
また、非営利性を明確にした上で、医師・患者・地域に対してその姿勢を示せる法人格としても、一般社団法人が適切だと判断しました。

医師が安心して働ける理由

リカレ協会への参画を検討している医師から「非医療法人という構造の中で、雇用の安定性は大丈夫か」という質問を受けることがあります。
雇用契約と法人形態は別の問題です。医師との雇用契約・報酬は、法人形態に関わらず労働基準法の適用を受けます。一般社団法人であっても、雇用契約書・就業規則・社会保険の加入義務は株式会社・医療法人と同様です。
むしろ非営利法人であることは、利益最大化の圧力がかかりにくいという点で、医師の診療判断の独立性を守る環境と言えます。処方や診療方針が経営的な都合で歪む構造的なリスクが、営利企業より低いと考えられます。
リカレ協会の各クリニックが適切に運営されていることは、1. 保険医療機関指定の確認(各地方厚生局のウェブサイト)、2. 診療所開設許可の確認(所在地の保健所)、3. 法人登記の確認(法務局)の3つの方法で行政上の確認が可能です。
医療の仕組みを変えるという目的のために、医療以外の事業も同じ法人で担える構造が必要だった。それがリカレ協会の答えです。

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よくある質問
Q.保健所の検査・立入調査は受けているか?
A.はい。すべての診療所は医療法に基づき、保健所の立入検査の対象となります。リカレ協会の各院も、定期的な検査を受けています。
Q.一般社団法人がクリニックを開設することは全国的に事例があるのか?
A.はい。日本国内には一般社団法人が運営する医療機関が多数存在します。形態は様々で、珍しい事例ではありません。
Q.医師の社会保険・雇用保険は完備されているか?
A.はい。法人の規模・形態に関わらず、社会保険・雇用保険を完備しています。
